【法文】
学説彙纂第1巻第2章第1法文
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed.
14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Gaius libro primo ad
legem duodecim tabularum
ガーイウス(十二表法註解第一巻)
【翻訳】
予は古法の解釈を為さんとするに当りて建国の初に溯り羅馬国民の法
[1]を討究するを以て必要の事なりと思惟せり是れ決して浩瀚なる註釈書を作らんと欲するが為めに非ず凡そ万般の事物は各部の完整を俟て初めて其十全を期すべく、而して建物の最も肝要なる部分を占むるものは其の発端に存すること明白なりと認むるが故なり且つ夫れ若し法廷に立ちて弁論を為す者が先ず序論を述べず審判人に対して事件に関し直ちに陳述を為すは常規を逸するの行為なりと認むべしとせば、一時物の説明を為さんとする者が其の由来を度外に置き其の起源を討尋せず何等の準備を為さず
[2]して直ちに本論に進むは更に甚だしく順序を紊りたるものに非ずして何ぞや、「何故となれば若し予にして誤なしとせば序説なるものは人をして益々喜びて本論の説明に接せんと欲するの念を起さしめ既に之に接するに当りては頗る容易に之を了解し得しむるものなればなり。」
【注】
[1]訳註、モムゼンの説に拠る
[2]訳註、原文に若し予にして云ひ得べくんば「洗手せず」とあり今仏訳に倣うて上文の如く意訳す
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】