【法文】
学説彙纂第1巻第2章第2法文第38項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I.
(ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Pomponius libro
singulari enchiridii
ポームポーニウス(法学通論単行書)
【翻訳】
尋で出でたる学者にチベリウス・コルンカーニーウスあり此の人は前述の如く法律学を始めて公に教へたる学者なり但し其の著書は今日一も現存するもの無し、然れども其の解答は頗る多数にして又有名なりき。其の後ゼツークスツス・アイリウス並びに其の兄弟なるプーブリウス・アイリウス及びプーブリウス・アーチリウスは共に公の教授上深奥の学識を示し之が為め両アイリウスは遂に執政官に挙げられアーチリウスは国民より始めて達学者の称を得たり。エンニウスの如きもゼツークスツス・アイリウスを引用せりゼツークスツス・アイリウスの『三部』(tripertita)と題する著書は今尚現存し法学の揺籃とも云ふべき事を記す、『三部』の称は十二表法の原文を首位に置き次に其の解釈を附し最後に法律訴訟手続を掲げたるより出づ。尚、他に著書三巻ありとの伝説ありと雖も或は之をゼツークスツス・アイリウスの著に非ずとする者あり、而して或程度まで以上諸学者の後を承けたる者をカートとす。其の後ポルチア家の首長マルクス・カート出で其の著書亦現存す。
然れども其の子の著書も亦甚だ多く此等の書は後年幾多の書の淵源を成せり。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】