【法文】
学説彙纂第1巻第2章第2法文第49項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Pomponius libro singulari enchiridii
ポームポーニウス(法学通論単行書)
【翻訳】
此の機会に於て一言せんアウグースツスの治世前には公然解答するの権利は之を元首より付与したるに非ず何人と雖も其の学識自信を有したる者は鑑定を請ふ者に対して解答を与ふるを常とせり、而かも決して封書を以て解答を与へたること無く大多数の場合に於て直ちに審判人に解答書を提出したるか又は鑑定依頼者をして『其の受取りたる鑑定書の真正を』 [1]証明せしむるを以て常とせり。神皇アウグースツスは法学者の解答を更に権威あるものたらしめんが為め法学者は皇帝の権力を以て解答すべきことを始めて規定したれば、爾来、解答権は一種の特権として其の付与を請願するに至れり。是を以て至聖なる皇帝ハドリアーヌスは数名の前法務官が解答許可を出願したるに当りて指令して曰く此の特権が何人と雖も自ら進みて其の付与を出願すべきものに非ずして皇帝より之を付与するを常とす故に解答を為すの自信を有する者が国民に対して解答を為すの資格を得るは朕の嘉奨する所なりと。
【注】
[1]訳補
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】