【法文】
学説彙纂第1巻第21章第1法文序項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Papinianus libro primo quaestionum
パーピニアーヌス(質疑録第一巻)
【翻訳】
法律、元老院議決又は勅法に依りて特に政務官に附与せらるる権力は司法権の委任と共に移転せず、之に反し政務官の官制に依る職権は之を他人に委任することを得。故に政務官にして法律又は元老院議決に依り即ち例へば姦通に付てのユーリア法其の他類似の法律に依り公訴裁判権執行の委任を受けたるとき之を他人に委任するは誤なりと認めらる。此点に付ては頗る有力なる論証あり即ち暴行に関するユーリア法は明文を設けて曰く凡そ審理権を受けたる者旅行するときは其の権限を他人に委任することを得と、故に不在となるべき場合に非ざれば其の裁判権を他人に委任することを得ざるなり之に反し現に任所に在る者と雖も其の一般の裁判権は之を他人に委任することを得。上述の如くなるを以て主人が其の奴隷使用人等の為めに殺害せられたる事件に付ては法務官は元老院議決の付与せる審理権を他人に委任することを得ざるべし。
【注】

【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】