【法文】
学説彙纂第1巻第3章第32法文第1項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Iulianus libro LXXXIIII digestorum
ユーリアーヌス(私法解説第八十三巻)
【翻訳】
根底既に深き古来の慣習は之を法律と看做して遵守するは理由無しとせず此の如き法は謂はゆる慣習に依りて確定せられたる法なり。何故となれば法律其ものが吾人を拘束する理由は国民の決定に因りて承認せられたるものたるが故に外ならざれば縦ひ一片の文書なしと雖も既に国民の承認したる規則は亦以て万民を拘束すること正当なればなり、抑も国民の意思表示は其の方法を表決に求むるも将た行動及び事実に採るも其の間に果して何の差異かある、此の理に依り法律は啻に立法者の表決に因りてのみならず万民の黙契に出づる不使用に因りて廃止せらるるものたることをも学説の斉しく承認せるは極めて正当なり。
【注】

【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】
春木訳「ユーリアーヌス(私法解説第八十三巻)」の部分は「ユーリアーヌス(私法解説第八十四巻)」の誤りと思われる