【法文】
学説彙纂第2巻第14章第30法文第1項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Gaius libro primo ad edictum prouinciale
ガーイウス(県告示註解第一巻)
【翻訳】
甲者がチチウスに金銭債権を有し一奴隷より其の金額の支払を要約したる場合に若し甲者がチチウスに対して請求訴訟を起すときは甲者はチチウスを訴へざるべきことを約束したりと認むべきものなりとの理由に依り其の請求は約束及び合意の抗弁を以て之を排斥することを得べきや又排斥せらるべきものなるやの疑問を生ぜり。ユーリアーヌスの説に依れば若し要約者が右奴隷の主人に対して特別用益財産に関する訴権を有するとき換言すれば偶ま、奴隷がチチウスに対して同一金額の債務を負ひたるの故を以て介入の正当なる原因を有したるときは要約者の請求は排斥せらるべし、然れども若し右の奴隷が保証人として介入したるときは其の原因よりして特別用益財産に対する訴権は附与せられざるべし随て債権者はチチウスに対して請求訴訟を為すことを妨げらるべきに非ず、又ユーリアーヌスの見解にては債権者にして若し奴隷を自由人なりと信じたるときは請求訴訟を起すことを決して妨げられざるものとす。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】