【法文】
学説彙纂第2巻第14章第47法文第1項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Scaeuola libro primo digestorum
スカイヴオラ(法学大全第一巻)
【翻訳】
ルキウス・チチウスは両替商ガーイウス・セーイウスと受取及び支払に付て従前より複雑なる取引関係に在りたりチチウスはセーイウスを債務者なりと確定し而して次の如き書面をセーイウスより受領したり、『貴下と予との間に於ける両替取引の計算に関して多数の契約を清算せる結果今日予の手に存するもの尚、三百八十六と此の金額に対する利息とあり。予は明約なしと雖も此の保管「金」額を貴下に返還すべきものとす。若し貴下の発行即ち作成したる証書にして予の手に存するものあるときは其の金額の多寡と又理由の如何とを問はず将来総て無効の廃止たるべし。』此の場合に疑問起れり即ちルキウス・チチウスは此の書面の作成前に両替商セーイウスに委託するに三百を自己の保護者に支払ふべきことを以てしたるも右の書面には総ての証書は如何なる契約に関するものたるを問はず之を無効の廃紙と認むべしとの文言あるに因りチチウスは上記の点に付きセーイウスをも又其の子をも訴へ得べからざるかと云ふ事是れなり。予は解答して曰く若し前記の計算が従来の受取及び支払のみに関せるものなるときは他の債務関係は総て原状を持続すと。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】