【法文】
学説彙纂第2巻第14章第7法文第2項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro quarto ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第四巻)
【翻訳】
然れども或行為が或特殊の契約中に入らざる場合と雖も一定の原因が存在するときはアリストーがケルススに解答して債務関係の成立ありとなせるは適当なり。例へば予が汝をして或物を与へしめんが為めに汝に或物を与へ又は汝をして或事を為さしめんが為めに之を与へたる場合の如きアリストーは是れσυνάλλαγμα(契約)にして法定債務関係の発生原因たるべしと言へり。随て予はユーリーアヌスが次の如き事実の場合に付てマウリキアーヌスより論難せられたるは正当なりと思考す、即ち予が汝をしてパームフヰリウスを解放せしめんが為め汝にスチフスを与へ、汝はパームフヰリウスを解放したるにスチフスは第三者の為めに追奪せられたる場合に、ユーリアーヌスの書中には法務官は汝に事実訴権を付与すべきものなりと見ゆ、然るにマウリキアーヌスは曰く此の場合には不確定物請求の法定訴権即ち「前書に依るの」方法を以て足る、何故となれば此の場合には契約即ちアリストーの謂はゆるσυνάλλαγμαの成立ありて此の訴権を発生せしむればなりと。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】