【法文】
学説彙纂第2巻第9章第1法文第1項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro septimo ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第七巻)
【翻訳】
茲に「同一状態を以て」とは如何なる意義なるかを観察せざるべからず、予が正当なりと思惟する所にては原告が訴訟を為すに付て其の法律関係に不利益を生ぜざらしむる場合には同一の法律状態を以て加害者を法廷に出頭せしむるものと認む。ラベオーは曰く若し加害者が諾約者の奴隷たるの地位を脱し若は原告の訴権が消滅したるときは加害者が同一の法律状態に在りたるものと認められずと、訴訟を為すに付て初は被告と同一の状況に在りたる原告が場所又は当事者の変更に因りて不利益なる状況と為る場合も亦右と同様に論ずることを得べし、故に加害者が諾約者を管轄する裁判所に於て訴へ得べからざる買主に売らるるか又は一層有力なる相手方に与へられたる場合に付きラベオーは加害者は同一の法律状態に於て法廷に出頭せしめらるるものと認められずと為すを寧ろ適当とすとの意見を保持す。又若し加害者が特定の被害者に交付せられたるときは同一の状態に於て法廷に出頭せしめられず是れオーフヰリウスの唱ふる所にして加害者の交付に因りて其の交付を受けたる者以外の者の加害者交付訴権は消滅すとの見解より来りたるものなり。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】