【法文】
学説彙纂第2巻第9章第2法文第1項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Paulus libro sexto ad edictum
パウルス(告示註解第六巻)
【翻訳】
ヴヰーンヂウスの説に依れば「或者に属する加害訴権の目的なる」奴隷が不在なる場合に所有者若し其の奴隷が自己の支配の下に服することを否認せざるときは主人は其の奴隷を「法廷に出頭せしむべきことを」諾約するか又は争点決定を為すか又は若し若し防御することを欲せざるときは及ぶ丈け速かに加害者を法廷に出頭せしむべきことを担保するの義務あり、之に反して主人若し事実に反して加害者が自己の支配の下に服することを否認するときは加害者を交付せずして争点決定を為すべきことを強要せらる。ユーリアーヌスの書に曰く主人が悪意に加害者を自己の支配の下に服せしめざりし場合にも亦然りと。然れども若し奴隷は現在するも主人が不在にして何人も奴隷の為めに防御せざるときは法務官は被害者が其の奴隷を拉し去り得べきことを命ず、但しポームポーニウス及びヴヰーンヂウスの書に見ゆるが如く主人をして其の不在の為めに損害を蒙らざらしめんが為め事情審査の上、後日主人に防御権を附与することあるべし、随て原告も奴隷を拉し去りて其の所有者と為りたるに因り消滅に帰したる訴権を回復すべきものとす。
【注】

【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】