【法文】
学説彙纂第2巻第9章第5法文
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro quadragensimo septimo ad Sabinum
ウルピアーヌス(サビーヌス註解第四十七巻)
【翻訳】
或者が奴隷を同一の法律状態に於て法廷に出頭せしむべきことを諾約したるに其の奴隷が自由人と為りたる後に法廷に出頭する場合に於て、若し右の奴隷に付ての訴訟が死刑の制裁を生じ得べきものなるか又は名誉侵害を原因と為すものなるときは其の出頭は適法に非ず、何故となれば奴隷に対しては特殊の死刑執行方法あり又奴隷の為したる名誉侵害に付ては笞撻の制裁を科して被害者に満足を与ふるも自由人に対しては之と異なり報復手段を採るか又は金銭罰を科すればなり[1]然れども他の原因に因る加害訴訟の場合には従前奴隷たりし加害者は現に自由人と為りたるに因りて原告の為めには寧ろ利益ある法律状態を得るに至りたりと認むるを得ん。
【注】
[1]訳註、「何故となれば」以下の原文をMommsenは字句を転置して読むと雖も今暫く伝来の原文に従ふ
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】