【法文】
学説彙纂第3巻第3章第8法文序項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Idem(Ulpianus) libro octauo ad edictum
同人(告示註解第八巻)
【翻訳】
家男も自ら実行し得べき訴権を有するときは訴訟を為すが為め訴訟受任者を指定することを得、軍人特有財産を有する家男のみならず凡て家男は訴訟受任者を指定することを得、例へば家男が名誉棄損を受けたる場合に於て會ま其の父が不在なるか又は父の訴訟受任者が訴訟することを欲せざるときは家男は名誉毀損訴訟の為め訴訟受任者を指定し得べきが如し而して家男の此の訴訟受任者の指定は適法なるべし。ユーリアーヌスの書には更に一歩進めて曰く若し父の家長権に服する息男甲者に息男乙者ありて亦同一の家長権に服する場合に乙者が名誉毀損を受けたる為め延いて甲者も名誉を毀損せられ而して家長が不在なるときは甲者は此の不在者の孫の受けたる名誉侵害に対する報復の訴訟を為さんが為めにも訴訟受任者を指定することを得と。家男は訴訟上防禦の為めに訴訟受任者を指定することを得べし。家女も亦名誉毀損訴訟の為め訴訟受任者を指定することを得べし。蓋し嫁資返還請求の為め家女が父と共に訴訟受任者を指定するは無用なり何故となればヴワレリウス、セヴエールスの書に見ゆる所に拠れば父が其の息女の意思に従ひて訴訟受任者を指定するを以て足ればなり。然れども予の見解に依れば若し父が偶ま不在なるか又は疑はしき素行の者たるときは「嫁資返還」請求訴権は息女に「属する」を以て常とす故に息女は訴訟受任者を指定することを得。息男は亦訴訟を為し又は訴訟に於て防禦を為すが為めに訴訟受任者に指定せらるることを得。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】