【法文】
学説彙纂第3巻第5章第31(32)法文序項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Idem(Papinianus) libro tertio responsorum
同人(解答録第三巻)
【翻訳】
保証人は錯誤に因り自己に無関係なる他の契約に付き債権者より占有質権(pignus)又は非占有質権(hypotheca)の譲渡を受け両担保不動産を一体と為さんには補償の資を得べしと信じて両個の金銭債務を債権者に履行したり。此の場合に債務者が委任訴権を以て保証人を訴ふるも無効なり、保証人が之を以て債務者を訴ふるも亦然り、両者は互いに他に対して事務管理の訴権を用ゐることを要す、而して其の訴訟に於ては過失のみを考慮すべきものにして事変は之を考慮に入れず、何故となれば保証人は之を略取者と認め得べからざればなり。如上の事実の下に債権者は嘗て債務者より交付を受けたる質物の返還請求訴権に対して責無きものとす、何故となれば債権者は既に其の法律上の地位を売りたるものと認めらるればなり。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】