【法文】
学説彙纂第3巻第5章第5法文第14項(第6法文第12項)
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Idem(Ulpianus) libro decimo ad edictum
同人(告示註解第十巻)
【翻訳】
茲に考究すべき場合あり、他人の為めに事務を管理せる者が、其の一部分を管理し他の部分を放置したるも、第三者は管理者あることを念頭に置き管理なき部分に介入せず、然るに勤勉なる者 [1]ありて管理者が放置したる部分の管理をも為すべきの意思を有したるときは、前記の管理者は其の管理せざる部分に付ても事務管理訴権に依る責を負ふべきや否や。予は責を負ふべきものなりと思惟す。若し其の者が取立つべかりしもの尚、存するときは、其の者は之に付て責を負はしめらるべきこと疑を容れず。縦ひ其の者が訴権を有せず他の債務者を訴ふるの能力を有せざりしが為め之を訴へざりしの理由を以て之に責を負はしむることを得ずとするも、自己の債務を支払はざりし点に付ては責を負はむべし、而して、若し其の債務が偶ま利息附のものに非ざりしときは、神皇ピウスがフラーヴヰウス・ローンギーヌスに対して指令したるが如く、其の債務は直に利息を発生す、但し、同帝が宣示せるが如く、本人が利息を免除したるときは此の限に在らず。
【注】
[1]訳註、是れ右の管理者として要求すべき者なり
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』(有斐閣、1938年)
【備考】