【法文】
学説彙纂第4巻第2章第9法文第7項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro undecimo ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第十一巻)
【翻訳】
此の告示に依り「回復即ち原状回復」[1]は審判人の職権を以て左の如き方法に為さるることを要す即ち「物の引渡が暴力に因るときは」其の物を返還せしむべく且つ上述の如く「物に損害を生ぜしめざらんが為め」悪意に付て責を負ふべきの担保問答契約を為さしむべきものとす、又若し免除問答契約に因り債務関係解消の効果を生ずるときは債務関係は当初の状態に回復せらるべきものとす随て左の結果を生ず即ちユーリアーヌス法学大全第四巻に見ゆるが如く或者が金銭債務を負ひ暴力を以て其の免除問答契約を成立せしめたる場合には右の金銭債務が履行せられ又は債務関係が原状に回復せられ而して之に依りて争点決定を生じたる場合の他強迫者は四倍額を支払ふべき判決を受くべきものなること是れなり。然れども予が暴行に因り問答契約の要約者に或事を諾約したるときは此の問答契約は問答契約に依りて消滅せしめらるべきものとす。又用益権又は物益権が消滅せしめられたるときは其の権利は原状に回復せしめらるることを要す。
【注】
[1]訳註、即ち原状回復id est in integrumは註解なりとの説あり
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】