【法文】
学説彙纂第4巻第2章第9法文序項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro undecimo ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第十一巻)
【翻訳】
恐怖は現在のものたることを要し将来発生すべき疑あるものに非ずと了解すべし、是れポームポーニウスの著第二十八巻に記せる所なり。ポームポーニウスの意は恐怖は激発せられたる恐怖「即ち他人より激発せしめられたる畏怖」なりと了解することを要すと云ふに在り。ポームポーニウスは之を敷衍して今予が武器を以て攻撃せんとする者あるを聞きて予の住地を棄てたるときは此の告示の適用ありや否やを論じ且つ曰くラベオーの見解に拠れば此の場合には此の告示の適用も無く又暴力に関する特示命令の適用も無し予は駆逐せらるることを待たずして逃避したるが故に暴力に依りて駆逐せられたるものと認むることを得ずと。ポームポーニウスの記す所に拠ればラベオーは尚、武器を携ふる者が進入したる後に予が逃亡したる場合は異なる、此の場合には実に此の告示の適用ありと主張せりと云ふ。又ポームポーニウスは曰く若し汝が一団の人々を集め暴力を以て予の土地に建物を為したるときは暴力又は秘密手段に依るの特示命令も此の告示も共に適用あり何故となれば要するに此の場合に於ては予をして汝の行為を忍容せしめたるは汝が予に恐怖を起さしめたる為めなればなりと。又若し予が暴力を受けたる為め汝に占有を交付したるときはポームポーニウスは此の告示の適用ありと説く。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】