【法文】
学説彙纂第4巻第3章第34法文
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Idem (Ulpianus) libro quadragensimo secundo ad Sabinum
同人(サビーヌス註解第四十二巻)
【翻訳】
汝が予に許すに汝の土地に於て石を切り出し又は白堊若は砂を掘り出すことを以てしたるが為め予は此の事業に関して出費したるに其の後、汝が予をして何物をも取去ることを得ざらしむる場合には、適用せらるべき訴権は悪意の訴権なり。[1]
【注】
[1]訳註、本問の事実に在りては贈与契約は有効ならず。問答契約の方式を経ざればなり。単純なる約束に依る贈与契約が有効となりたるは儒帝時代なり。故に他に適当なる救済方法無きを以て悪意の訴権を認む。蓋し一旦許可を与へたる者が之を無視するは悪意(誠意に反す、必ずしも詐欺の意思なし)にして相手方は之が為め損害を受けたり。即ち権利の侵害なしと雖も不法の行為に因りて他人に損害を生じたるを以て悪意の訴権を生ず。羅馬法の不法行為は権利の侵害を要せずとの見解の一例証
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】