【法文】
学説彙纂第4巻第4章第11法文第2項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro undecimo ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第十一巻)
【翻訳】
左の事実に付て質問を受けたり、二十五年未満の或若年者がサルヴヰアーヌスなる者を保佐人として設置を受けたるに、此の保佐人は一時其の任に当りたる後に皇帝の恩恵に依りて市代官に就職し其の後未成年者の不在中に法務官より保佐職を免除せられたり、是に於て未成年者は法務官に申請しサルヴヰアーヌスが勅法に違反して保佐職の免除を受けたりとの理由を以てサルヴヰアーヌスを保佐人に復職し原状に回復せられんことを請求したり。未成年者の主張は凡そ何人と雖も国務の為め海外に在るか又はメナンデル・アールリウスが枢密院顧問官たる時に許されたるが如く皇帝に直隷の職に鞅掌する者に非ざれば其の一旦、引受けたる後見職を免除せられざるを慣例とす然るにサルヴヰアーヌスは保佐職を免除せられ之が為に未成年者は不利益を蒙りたるを以て法務官より原状回復を得んことを請求したりと云ふに在り。アイトリウス・セヴエールスは此の申請に対する処置に惑ひたるを以て皇帝セヴエールスに伺を提出したるが、此の伺に対して皇帝セヴエールスはアイトリウスの後継者ヴエニヂウス・クウヰエツスに左の如く指令したり曰く本件に付ては二十五年未満者と契約の締結ありたるの事実の表示無きが故に法務官は之に関与する権限を有せず、然れども法務官が誤りて保佐職を免除したるときは皇帝は之に介入して其の者を復職せしむべしと。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】