【法文】
学説彙纂第4巻第4章第13法文第1項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro undecimo ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第十一巻)
【翻訳】
時としては未成年は物上原状回復訴権を附与せらる換言すれば縦ひ未成年者は物の占有者と契約を締結せざるも此の占有者に対して原状回復の請求を為すことを得。例へば汝が未成年者より物を買ひ之を他人に売りたる場合の如し、此の場合には未成年者をして其の物を喪失し又は之を欠くに至るの虞無からしめんが為め時としては占有者に対して返還の請求を為すことを得しむ而して其の手続は法務官の裁定を以てするか又は物の移転を取消し未成年者に対物訴権の附与を以てす。ポームポーニウスが又其の著第二十八巻に於て記せるラベオーの見解に拠れば二十五年未満者が土地を売りて之を引渡し買主が再び之を第三者に譲渡したる場合に「若し第二の買主が右の事実を知るときは此の者に対して原状回復の請求を為すことを得べきも、第二の買主が右の事実を知らずして第一の買主が有資力なるときは然らず、然れども若し第一の買主が無資力なるときは」第二の買主が善意の買主なるに拘らず事実を知らざる此の者を不利に陥るるも尚、且つ未成年者を救済するを以て寧ろ衡平なりとす。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】