【法文】
学説彙纂第4巻第4章第13法文序項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro undecimo ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第十一巻)
【翻訳】
事情審査に付て考ふべきは救済は未成年者のみに限るか又は未成年者の為めに債務を負担したる者例へば保証人にも附与せらるべきかの問題是れなり。予は当事者が未成年たることを知りて之に信を置くことを得ざりしも汝は其の者の為めに保証人と為りたる場合には予の利益を犠牲にして保証人を救済するは衡平に非ず否な寧ろ保証人は委任訴権を拒否せらるべきものとす。簡単に云はば法務官は二者中救済すべき者は孰れなるか債権者なるか将た保証人なるかを熟考せざるべからず、何故となれば不利益を蒙りたる未成年者は債権者又は保証人の孰れにも責を負はざるべければなり。信用委任者は救済せらるべきものに非ずとは容易に之を云ふことを得べし、何故となれば信用委任者は確信と勧誘とを以て未成年者との契約を成立せしめたる者なればなり。是に於て問題と為り得べきは未成年者が原状回復を請求すべき相手方は債権者たるか又は保証人なるかの点是れなり。予は未成年者は孰れの者をも相手方として原状回復を請求し得べきものと為すを以て寧ろ安全の途なりと思惟す。何故となれば原状回復の裁定は事情を審査し且つ当事者の前に於て之を為し又当事者が故意に欠席するときは欠席のままにて之を為すべきものなればなり。
【注】

【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】