【法文】
学説彙纂第4巻第4章第23法文
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Paulus libro undecimo ad edictum
パウルス(告示註解第十一巻)
【翻訳】
若し家男が父の指図に従ひて事務を執行したるときは原状回復の利益を有せず、是れ家男は他人より委託を受けたるときと雖も此の救済を得ざるを以てなり何故となれば此の場合に於て救済を為すとせば元来、本事件に於て損害を蒙るべき成年者が却て利益を増進するの結果を生ずればなり。然れども若し未成年者が事務の執行に付て支出したるものを本人の無資力なるの故を以て償還を受くること能はざるが為め未成年者が結局損害を受くべきときは法務官は干渉すべきこと勿論なるべし。「又若し本人自身が未成年者にして受任者が成年者なるときは事務が本人の委託に依りて執行せられ而して本人が其の受任者より救済を受け能はざる場合の外、本人は容易に聴取せられざるべし。」故に若し未成年者が受任者たる行為の執行に付て詐欺せられたるときは本人は損害を負はざるべからず何故となれば未成年者に事務を委託したるは本人の責なればなり。マルケルルスも亦此の如き見解を有す。
【注】

【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】