【法文】
学説彙纂第4巻第4章第32法文
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Paulus libro primo quaestionum
パウルス(質疑録第一巻)
【翻訳】
二十五年未満者が地方長官の面前に出頭し其の体格に依りて成年なることを誤信せしめたり、然れども其の未成年者なることを知れる保佐人は依然事務管理を継続したり。然るに此の未成年者は年齢に関する右の決定ありたる後にして未だ満二十五年に達せざる間に自ら金銭債務の支払を受けて其の金銭を濫費したり。此の場合に於て予は損失負担者の何人なるかを疑問とす、若し上記の決定ありたる後保佐人も亦同一の錯誤の下に行動し未成年者を成年者なりと思惟して其の管理を止め而して保佐人としての計算を為したるときは保佐人は被保佐人の年齢の決定ありたる以後に経過したる期間の損失を負担すべきや。
 予の解答に曰く、債務を履行したる者は法直接の作用に依りて債務を免れたるを以て再び訴追せらるべきに非ず。保佐人は被保佐人が未成年者なることを知りて其の任務の執行を継続したるときは未成年者をして其の債権の目的たる金銭を受領せしめざることを要す。故に保佐人は之に付て訴追を受くるの責あること明白なりとす。然れども若し保佐人が地方長官の決定に信頼して其の管理を中止し又管理の計算をも為したるときは保佐人は他の債務者と同一の地位に在るを以て訴追を受くるの責無しと。
【注】

【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】