【法文】
学説彙纂第4巻第4章第41法文
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Iulianus libro quadragensimo quinto digestorum
ユーリアーヌス(法学大全第四十五巻)
【翻訳】
未成年者が土地の売買に付て欺罔せられたれば裁判官は買主に土地の返還を命じ売主たる此未成年者に代金の返還を命じたるに右の未成年者は決心を翻へして自己の利益の為めに決定せられたる原状回復と処分を利用せざるときは判決を原因として代金を請求する買主に対して有効なる[1]抗弁権を有することを得べし何故となれば何人と雖も自己の利益の為めに設けられたるものを抛棄するは自由なればなり。又買主は[2]自己の行為の為めに発生し且つ未成年者が法務官の救済を申請せざりせば変更し得べからざりし状態に復旧せらるるとも苦情を訴ふることを得ざるべし。
【注】
[1]訳註、独訳には原語のutilisをanalogeと訳す(独訳千四百九十六頁)或は誤訳ならん
[2]訳註、textにはvenditorとあり。註釈大全は此の処のvenditorはemptorの意義なりと解す(C.I.G. Dig. vetus. c. 579)。Cuiaciusはvenditorをemptorに訂正す。今其の説に従ふ
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】