【法文】
学説彙纂第4巻第4章第7法文第10項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Idem (Ulpianus) libro undecimo ad edictum
同人(告示註解第十一巻)
【翻訳】
然れどもパーピニアーヌスは解答録第二巻に於て述べて曰く一奴隷が必要相続人として未成年者の交替相続人に指定せられたる場合に若し此の未成年者が相続を拒絶するときは右の奴隷は必要相続人たるべし若し後に未成年者が原状に回復せらるるも此の奴隷は尚、依然として自由人たるべし、然れども若し未成年者が一度相続を承認したる後に之を拒絶したるときは此の未成年者の交替相続人と指定せられ同時に自由人たるべきものとせられたる右の奴隷は相続人たることを得ず又自由人たることを得ずと、此の説は必ずしも悉く正当に非ず。何故となれば相続財産が相続債務の弁済に不足なる場合に於て第一位の指定相続人が相続を拒絶するときは家属者以外の未成熟者が相続人に指定せられたる場合に付て神皇ピウス及び現皇帝が指命したるが如く交替必要相続人が相続を為すべければなり。又パーピニアーヌスが『尚、依然として自由人たるべし』と言へるは彼の奴隷が最早、相続人たらざるの意義を含蓄す予は彼の未成熟者が一度、相続を拒絶したる後に原状回復を得たる場合に付て言ふなり、然れども未成熟者は相続人と為らずして準訴権を有するものなるが故に一度相続人たりし者は依然として相続人たるべきやは疑なし。
【注】

【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】