【法文】
学説彙纂第4巻第4章第7法文第2項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Idem (Ulpianus) libro undecimo ad edictum
同人(告示註解第十一巻)
【翻訳】
又若し未成年者が其の父若は自己の債務者より履行として金銭を受取り之を喪失したるときは法律行為が未成年者を相手方として為されたるの理由を以て其の者は法務官の救済を受くべしと云はざるべからず。故に又若し未成年者が債務者を訴ふるときは金銭の支払を受領せんが為めに保佐人を設置することを要す、然らざれば被告は未成年者より履行を強制せられざるべし。然れども現時はポームポーニウスが其の著第二十八巻に於て記すが如く債務者をして将来尚、利息債務を負はしめざらんが為め若は未成年なる債権者をして金銭を喪失せしめざらんが為め之を神社に供託するか然らざれば保佐人あるときは保佐人に対し支払せしむるを以て慣例とす。又勅法は債務者に許すに未成年者をして保佐人の設置を請求せしむるの権を以てす。然れども法務官が債務者に対して保佐人の設置なき未成年者に金銭の支払を命じ而して其の者が之を支払ひたる場合には債務者は安定の地位に在るものと云ふを得べきや否やは疑問と為すことを得。予の思惟する所に依れば若し債務者が相手方の未成年者たることを主張するに拘らず之に支払ふべきことを強要せられたるときは責を負ふべきものに非ず、但し債務者は法務官の違法に対して上訴の途を有すと思惟する者もあらん。然れども予の信ずる所に依れば此の事情の下に未成年者が原状回復を申請するとも法務官は耳を仮さざるべし。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】