【法文】
学説彙纂第4巻第4章第7法文第8項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Idem (Ulpianus) libro undecimo ad edictum
同人(告示註解第十一巻)
【翻訳】
未成年者は利益を喪失したる場合にも救済せらるることを要すとの規則の結果、左の場合に付て疑問を生じたり即ち未成年者が其の物を売りたるに他に一層高く之を買受けんと申込む者あるときは其の未成年者は利益を逸したることを理由として原状に回復せらるべきや否や。此の点に付ては法務官は未成年者に原状回復を許し以て再び買受の申込を受けしむるを通常とす。又法務官は未成年者の利益の為めに保有すべき物に付ても[1]原状回復を許す。然れども此の如き場合の原状回復は総ての状況を慎重に考察したる上にて之を許すべきものとす、然らざれば売却が誠実なる場合と雖も未成年者の物を買ふ者無かるべし。又事変に罹りたる物に付ては未成年者は後見人又は保佐人の汚行若は不公平の明白なる場合の外、買主に不利益を生ぜしめて救済せらるべきに非ず此の規則は絶対に是認すべきものとす。
【注】
[1]訳註、例へば遺言者が未成年者に特定物を保有すべきことを命じたるときの如し
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】