【法文】
学説彙纂第4巻第4章第9法文第2項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro undecimo ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第十一巻)
【翻訳】
次に未成年者が救済せらるるは契約に付て不利益を蒙りたる場合のみなりや又は不法行為を為したる場合にも然るやを茲に考察せん、例へば未成年者が受寄物又は無償にて借受けたる物又は契約に関して悪意の行為を為したる場合に未成年者は若し之が為に何物をも取得せざるときは救済を受くるや否や。未成年者は不法行為に付ては救済を受けざるを規則とす。故に右の場合に未成年者は救済を受けざるべし。事実に於ても若し未成年者が盗を為し又は過失に因りて損害を与へたるときは救済を受けざるべし。然れども若し未成年者が損害を惹起したる後に二倍額の責を負はざらんが為め自白を許さるる場合に於て其行為[1]を否認したるときは、自白したるものと認めらるべき範囲に於てのみ原状回復を許さるべし。故に又若し未成年者が二倍又は四倍額の訴権の実行を避けんが為め盗人として加へたる損害に付て和解し得たるときは救済せらるべし。
【注】
[1]訳註、未成年の不法行為
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】