【法文】
学説彙纂第4巻第6章第26法文第4項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro duodecimo ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第十二巻)
【翻訳】
法務官は曰く、『又は或者が其の悪意に因らず政務官に依りて訴権を否認せられたる場合には』と。此の文言の目的は如何。他無し若し審判人の遅延に因りて訴権消滅の結果を生じたるときは原状回復を命ずべきことを確保するに在り。又若し申請を受くべき政務官無きときはラベオーは此の場合にも原状回復を許すべきものと為せり。『政務官の行為に因りて』と云ふは政務官が法を宣言せざるときはとの意義に了解すべきものとす、若し然らずして政務官が事実を審査したる後に単に訴訟を許さざるときは原状回復の場合は生ぜず、セルヴヰウスの見解も亦此の如し。又政務官が被告に対する偏頗心又は不正なる動機に因りて法を宣言せざるは政務官の行為に因る過失の一例なり。此の如き場合には告示の此の部分の適用あるべきのみならず又『又は自己を訴へ得べき方法を供せず』と云へる前の部分の適用もあるべし、何故となれば訴訟人は裁判官を堕落せしめ以て自己の訴へられざる策を採りたればなり。
【注】

【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】