【法文】
学説彙纂第4巻第8章第13法文第1項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro tertio decimo ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第十三巻)
【翻訳】
同じくポームポーニウスの著書中に曰く若し予の請求権のみに付て仲裁契約を締結し予が汝より支払ふべき罰金を要約したるときは之を仲裁契約と云ふべきや否やは考究を要すべき点なりと。然れども予はポームポーニウスが如何なる点を疑問と為すかを知らず、若し其の疑問が唯、契約当事者の一方の請求権のみを仲裁に付すると云ふの点に存するときは決して問題と為すべきの理由無し、何故となれば当事者双方は一事項のみを仲裁に付するを得えればなり。然れども若し其の疑問が当事者の一方のみ問答契約に依りて罰金を諾約したりと云ふの点に存するときは之を問題とすべき理由あり。然れども若し問答契約の要約者が原告たる者なるときは被告は例へば約束の抗弁の如き充分なる防禦を有し又若し仲裁判断が遵守せられざるときは原告は問答契約の罰金に対する権利を有するが故に仲裁契約は完全なりと云ふを得べし。但し予は此の議論を正当なりと思惟せず、何故となれば当事者が抗弁権を有すとするも之を以て仲裁人に判断の宣言を強制するの十分なる理由とすべからざればなり。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】