【法文】
学説彙纂第4巻第8章第21法文第10項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro tertio decimo ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第十三巻)
【翻訳】
羅馬に於て仲裁を委ねたるに若し仲裁人が争議者に対して例へば某県に出頭すべきことを命じたるときは当事者は仲裁人の命令に服せざるも責無きや否やの疑問あり。比較的正当なる見解はユーリアーヌスが其の著第四巻に於て説ける所のものとす即ち仲裁契約締結の当時に其の契約中に黙約せられたる場所は当事者が仲裁判断を受くべきの意思を有したる場所なり、故に若し仲裁人が他の場所に出頭すべきことを当事者に命令したるときは当事者は其の命令に服せざるも責無し。然らば若し当事者の意思が如何なる場所に在りたるか不明なるときは如何。仲裁人は仲裁契約の締結ありたる場所に於て仲裁を為すべきものと認むべきを以て比較的適当なる見解とす。然れども若し仲裁裁判が当事者に市の郊外地に出頭すべきことを命じたるときは如何。ペーガーススは此の命令の有効なることを承認す。予は仲裁人が郊外に於て仲裁事務を執るを以て慣例と為し得るが如き権威を有する者にして且つ争議者が容易に其地に赴き得べき場所に於てのみ右の見解は正当なりと思惟す。
【注】
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】