【法文】
学説彙纂第4巻第8章第3法文第1項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Idem (Ulpianus) libro tertio decimo ad edictum
同人(告示註解第十三巻)
【翻訳】
仲裁の引受は之を引受くる者の任意にして何等の拘束を受けず法務官の職権を以て干渉すべき必要事項に非ざるが故に法務官は何人に対しても仲裁の引受を強要せざるは事実なりと雖も、或者が一旦、仲裁を引受けたる場合には法務官は仲裁人が問題たる事件に付て其の精慮を用ゐるを至当と考ふ、是れ啻に法務官が争議の終了を切望するが為めのみならず誠実なる判断者として事件解決の為め其の仲裁人を選定したる争議者をして失望せしめざらんが為めなり。今茲に仲裁人が事件の仲裁に付て既に両三回の交渉を重ね各争議者の内情は全く明白となり事件の秘密も亦発覚したる後に至りて仲裁人が、或は争議者の一方に偏頗の情を有し、或は賄賂の為めに動かされ或は其の他の原因に依りて判断を付することを拒むことありとせんか、此の如き場合に仲裁人をして其の引受けたる職務を遂行せしめんが為め法務官が干渉を試むるの極めて衡平なるは誰か之を否定する者あらんや。
【注】

【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】