【法文】
学説彙纂第4巻第8章第32法文第16項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Paulus libro tertio decimo ad edictum
パウルス(告示註解第十三巻)
【翻訳】
嘗て判断の宣言に付て問題を生じ而して仲裁人の宣言したる判断と雖も必ずしも悉く有効なるに非ずと決せり[1]「但し判決の内容如何に依りては学者の見解一致せず。」予の思惟する所に依れば若し仲裁人が当該の事件に付ては審判人の許に赴くべきものなりと宣言し又は更に自己若くは他の仲裁人の判断を求むる仲裁契約を為すべしと宣言するときは其の判断に違反するとも罰金支払の責を生ぜず。何故となれば若し仲裁人が他の仲裁人の許に赴くべきことを当事者に命ずるときは争議終了の期無きが故に当事者は其の判断に服従せざるも責無しとユーリアーヌスも明言すればなり、ユーリアーヌスは又曰く「然れども若し仲裁人が当事者はプーブリウス、マイヴヰウスの裁定に依りて土地を引渡すか又は担保を供与すべしと宣言したるときは当事者は其の判断に服従すべきものなりと。」ペーヂウスは右の見解を承認し曰く、仲裁事件の決定時期の延長を防止するが為め又は争議者の一方に敵意を有するが如きことある他の仲裁人に仲裁事件を移さしめざるが為めに仲裁人は其の判断を以て争議を終了せしむることを要す、之に反して若し仲裁判断の宣言が遅延し又は仲裁事件が他の仲裁人に移さるるときは争議を終了せずと、又曰く如何なる方法を以て担保を供すべきか何人を保証人に立つべきかは仲裁判断の一部分なり故に是等の点に関する方法は之を他人に委託することを得ず「但し仲裁契約が如何なる仲裁人の判断に依りて担保を供すべきやの判断を仲裁人に委託したるときは此の限にあらず。」と
【注】
[1]訳註、是れ学者の決定なり
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】