【法文】
学説彙纂第4巻第9章第1法文第2項
【法文の典拠】
Corpus Iuris Civilis Vol. I. (ed. 14) Mommsen-Krüger, Digesta, MCMXXII
【inscriptio】
Ulpianus libro quarto decimo ad edictum
ウルピアーヌス(告示註解第十四巻)
【翻訳】
先づ茲に責を負ふ者の何人なるかを考察せん。法務官は『船主』(nautae)と云ふ。船主とは船舶の業務に従事する者の謂なりと了解することを要す、但し船舶内に在りて其の操縦に与る者は総て之を船員(nautae)と称するは事実なるも法務官は唯、船舶所有者を指称す。ポームポーニウスは曰く船主は櫂手又は合図手[1]の行為に因りて責を負ふこと無く自己又は船長の行為に因りてのみ之を負ふべきものなり、但し若し船主自身が或者に対して船員中の一人に物品の保管を委託すべしと告げたるときは船主は責を負ふべきこと疑を容れずと。
【注】
[1]訳註、合図手の原語は mesonauta。なり mesonauta は舵手と櫂手との中間に席を占め、櫂手に合図を与ふる者なり。独訳、一巻五百四十九頁七十九、一千八百三十九年
【訳者】
春木一郎
【出典】
春木一郎『ユースティーニアーヌス帝学説彙纂プロータ』有斐閣(1938)
【備考】