【法文】
学説彙纂第46巻第1章第10法文[共同保証人間の分別の利益、家子による保証と準訴権による求償]第2項
【法文の典拠】
Th.Mommsen, Digesta Iustiniani Augusti vol.2, 2.Aufl., Berlin 1963
【inscriptio】
Ulpianus libro septimo disputationum ウルピアーヌス(論争集第七巻)
【翻訳】
家子は家長のために保証をなしうる [1] 。このような保証とて、効力を有しない訳ではない。その理由は、第一に、家子が自権者となったときは、自らの給付できる範囲で責を負いうるからであり [2] 、第二に、権力に服従する間は、判決を受けることができるからである [3] 。次に、家子の保証により、家長が命令訴権の責を負うのかを考察しよう。私[ウルピアーヌス]は、命令訴権は全ての契約に対して付与されると考える。もっとも、家長の不知の間に保証がなされたときは、命令訴権は生じないが、しかし、[保証を通じた]利益が転用されたことを理由として、[債権者が]家長を訴えることは可能である [4] 。また、家子が権力から解放された後に弁済したならば、家長に対する準訴権 [5] が与えられるべきこと、明白である。権力に服する間であっても、もし軍営特有財産から家長のために弁済したときは、同じ準訴権が[家子に]与えられる [6] 。
【注】
[1]Alex.Sev.C.8,40(41),8(a.223). 奴隷が主人のためにする保証については、Iuli.D.46,1,19; Iav.D.46,1,20; Paul.D.46,1,66参照。
[2]Ulp.D.14,5,2pr.
[3]Gai.D.44,7,39.
[4] Cf.Caracalla C.4,26,3(a.215).
[5]家長家子間における委任または事務管理を観念しえないため、準訴権である。
[6]Cf.Gai.D.5,1,4.
【訳者】
遠藤歩
【出典】
法学会雑誌(東京都立大)第46巻1号 (2005年9月)
【備考】