【法文】
学説彙纂第46巻第1章第10法文[共同保証人間の分別の利益、家子による保証と準訴権による求償]序項
【法文の典拠】
G.C. Gebauer et post eius obitum editionem curavit G. A.
Spangenberg, Corpus iuris civilis : codicibus veteribus manuscriptis et optimis
quibusque editionibus collatis, Gottingae 1776-1797, S.964 Anm.62
【inscriptio】
Ulpianus libro septimo disputationum
ウルピアーヌス(論争集第七巻)
【翻訳】
債権者が保証人達の資力に疑いを有していたところ、彼の訴求した一人の保証人が、他の共同保証人の負担部分[1]
を訴求する危険を引受ける旨の担保提供を申し出た。もし、彼の提供した担保および有資力であると主張された共同保証人全員が現地にいるならば、私[ウルピアーヌス]は、彼の申し出[分別の利益の主張]は聞き入れられるべきだと考える。なぜならば、債務全額の弁済が容易ではないため、債権を買い受けることが常に易しいとは限らないからである。
【注】
[1]モムゼン大版は、in parteという語の前にコンマを付し(Th.Mommsen, Digesta Iustiniani
Augusti vol.2, 2.Aufl., Berlin 1963,
S.687)、この語を法文の続く部分(「彼の申し出は聞き入れられるべきだと考える」)に掛けることにより、その語意を、「訴訟において」と解するようである。しかし、分別の利益が訴訟上の利益であることは当然であり、あえてここで述べる必要が感じられない。訳文では、ゲバウエル版およびその補注(G.C.
Gebauer et post eius obitum editionem curavit G. A. Spangenberg, Corpus iuris
civilis : codicibus veteribus manuscriptis et optimis quibusque editionibus
collatis, Gottingae 1776-1797, S.964 Anm.62
→巻号及び出版年の特定)に従ってコンマを省き、この語をその前の部分(「訴求する」)に掛け、「負担部分につき」と解している。
【訳者】
遠藤歩
【出典】
法学会雑誌(東京都立大)第46巻1号 (2005年9月)
【備考】