【法文】
学説彙纂第46巻第1章第36法文[訴権譲渡の利益]
【法文の典拠】
Th.Mommsen, Digesta Iustiniani Augusti vol.2, 2.Aufl., Berlin 1963
【inscriptio】
Idem (Paulus) libro quarto decimo ad Plautium
同人[パウルス](プラウティウス注解第一四巻) 
【翻訳】
債務者と共同保証人を有する債権者が、共同保証人の一人から金銭を受領して訴権を譲渡した場合、確かに、債権者は自己のものを受領し、その受領により全員が解放されたのであるから、訴権はもはや存在しないということもできよう。しかし、これは正当ではない。というのも、債権者は弁済として受領をしたのではなく、債務者 [1] に対する債権をいわば売却したのであり [2]、従って債権を保持しているからである。債権者は、訴権を譲渡するという、まさにそのこと自体につき、責を負っているのだから。
【注】
[1]Iuli.D.46,1,17やMod.D.46,1,39とは異なり、主債務者に対する訴権が譲渡されているが、主債務者の設定した質を取得するための訴権譲渡を想定しうる(cf.Alex.Sev.C.8,40(41),11(a.229); Gordian.C.8,40(41),14,1(a.239); Paul.D.46,1,59)。
[2]Mod.D.46,3,76.
【訳者】
遠藤歩
【出典】
法学会雑誌(東京都立大)第46巻1号 (2005年9月)
【備考】