【法文】
学説彙纂第46巻第1章第49法文[遺言による解放と悪意の抗弁、共同相続による法上当然の分割と分別の利益による裁判上の分割、弁済場所と黙示の期限]第2項
【法文の典拠】
Th.Mommsen, Digesta Iustiniani Augusti vol.2, 2.Aufl., Berlin 1963
【inscriptio】
Idem (Papinianus) libro uicensimo septimo quaestionum
同人[パーピニアーヌス](質疑録第二七巻)
【翻訳】
保証人がローマの地で、カプアにおいて金銭を与えると諾約し、主債務者が[弁済場所の]カプアに居た場合、保証人は即座に[ローマで]訴求されうるかが問われた。私[パーピニアーヌス]は、保証人がカプアの地で諾約し、主債務者が[弁済場所の]カプアにまだ到着しえていない場合と同じく、保証人は即座には責を負わない、と述べた。いずれにしても、後の事案では、保証人がまだ責を負っていないことを何人も疑いえない。なぜならば、主債務者自身が責を負っていないからである。ところで、逆に、債務者がカプアにいるため保証人は即座に責を負うと解答する者は、保証人に特有の黙示の期限を考慮しないことから、主債務者自身がローマにいるため訴求されえない場合においても、保証人に責を負わせる結果となる [1]。しかし、我々が支持するのは、保証人の債務は、主債務者および保証人の両者の黙示の期限によって条件付けられているというものであり、したがってこれと異なる解答は、保証人に負担のより重い条件を課すもの、法の形式に違反するものと評価される。
【注】
[1]定地履行に関する訴権(actio de eo quod certo loco)による(cf.Afr.D.13,4,8)。
【訳者】
遠藤歩
【出典】
法学会雑誌(東京都立大)第46巻1号 (2005年9月)
【備考】