【法文】
学説彙纂第46巻第1章第68法文[保証債務の範囲(罰金、利息)、和解による解放]第1項
【法文の典拠】
Th.Mommsen, Digesta Iustiniani Augusti vol.2, 2.Aufl., Berlin 1963
【inscriptio】
Idem (Paulus) libro tertio decretorum
同人[パウルス](裁決集第三巻)
【翻訳】
借主たるアウレリウス・ロムルスのために、[都市所有地の]百年間の永借料債務を、ペトロニウス・タールス及びその他の者が保証した。国庫は、質物たるロムルスの財産を没収し、元本及び利息につき保証人達を訴求した。保証人達は、これにつき請願をなした。[皇帝は、]保証契約書を読み、債務の対象は百年分の借料のみであって、永借全体(in omnem conductionem)ではないから、保証人達は利息についての責を負わない [1]、と裁決した。しかし、[ロムルスの]財産から回収したものは、まず利息に充て、残額を元本に充当したうえで [2]、不足分については保証人達は訴求されうるのであり、債権者による質物売却の例 [3]が引かれた。
【注】
[1]保証債務の範囲に主債務の利息が含まれるかは、もとより契約解釈の問題であるが、原則的な解釈基準は、利息を含む旨の約定(in omnem等)がなければ、利息は含まれない、とするものである(cf.Diocletian.C.4,26,9(8)(a.294); Alex.Sev.C.8,40(41),10pr.; Gordian.C.4,54,5)。しかし例外的に、永借契約全期間の保証の場合は、元本のみを負担する旨の文言(obligatio等)がなければ、保証債務に利息も含まれる(Ulp.D.50,8,3,1(2,12))。したがって、本法文は、契約書にobligatioなどの文言が存在した事案と推測される。
[2]Ulp.D.46,3,5,2.
[3]Florentin.D.13,7,35pr. Cf.Diocletian.C.4,32,21.
【訳者】
遠藤歩
【出典】
法学会雑誌(東京都立大)第46巻1号 (2005年9月)
【備考】