【法文】
学説彙纂第46巻第3章第1法文
【法文の典拠】
Th.Mommsen, Digesta Iustiniani Augusti, 2 Bde, Berlin 1868/70
【inscriptio】
Ulpianus libro quadragensimo tertio ad Sabinum
ウルピアーヌス
【翻訳】
ある債務者が複数の法律関係のうちから一つの債務を弁済する場合、彼はどの債務に弁済したいのかを述べることができる。そしてもし述べたならば、その債務が弁済される。なぜならば、我々は何を弁済するのかを述べる一定の権能を有するからである。これに対して、どれに弁済するのかを我々が述べない場合には、受領者がどの債務に対して受領をなすかを決める権能を有する。しかし受領者は、もし自身が債務を負担していたならば弁済し、かつそこから解放されようとするであろう債務に対して、弁済を充当すべきである。従って、以下のものはそのような債務には当たらない。すなわち係争中の債務、他人のために保証人として負担している債務、期限未到来の債務である。なぜならば、債権者は債務者の事柄について、それがあたかも自己の事柄であるかのように行動するのが、最も公平であると考えられるからである。かくして債権者には、その欲するところへ弁済を充当することが許されるのであるが、それは自己の事柄であるかのようになさねばならない。そして債権者は、その場、すなわち弁済と同時に充当することができる。
【注】
【訳者】
遠藤歩
【出典】
法学会雑誌(東京都立大)第45巻1号 (2004年7月)
【備考】