【法文】
学説彙纂第46巻第3章第38法文第1項
【法文の典拠】
Th.Mommsen, Digesta Iustiniani Augusti, 2 Bde, Berlin 1868/70
【inscriptio】
Africanus libro septimo quaestionum
アフリカーヌス
【翻訳】
私が自己の債務者に、ティティウスへの支払いを命じ、次いでティティウスに受領を禁じたが、債務者が善意で支払いをなした場合、もしティティウスが自己を利する意図で金銭を受け取ったのでなければ、債務者は解放されると[ユーリアーヌス]は解した。しかしながら、たとえ金銭の盗がなされたとしても、それは債務者の財産なのであるから、市民法上の解放が生じなくとも、もし債務者がティティウスに対する盗の不当利得訴権を私に譲渡する用意があるならば、[債務者には]抗弁の対抗が許されると解するのが公平である。それゆえ、夫が贈与目的で妻への支払いを[債務者に]命じた場合も、同様である。というのも、金銭は妻のものにならないので、市民法上の解放は生じないが、もし妻に対する不当利得訴権を譲渡する用意があるならば、夫に対する抗弁の対抗が許されるべきである。もっとも、後者の場合に不当利得訴権が私に帰属するのは、離婚後である。なぜならば、私はその時に、金銭が私のものにならないことにつき、利害を有するからである。
【注】
【訳者】
遠藤歩
【出典】
法学会雑誌(東京都立大)第45巻1号 (2004年7月)
【備考】