【法文】
学説彙纂第46巻第3章第62法文
【法文の典拠】
Th.Mommsen, Digesta Iustiniani Augusti, 2 Bde, Berlin 1868/70
【inscriptio】
Idem (Paulus) libro octauo ad Plautium
同(パウルス)
【翻訳】
私は遺言で自身の会計係に自由を命じ、かつ特有財産を彼に遺贈した。彼は、私の死後に債務者達から金銭を回収した。そこで、私の相続人は、彼の特有財産からその回収した金銭を控除しうるかが問題とされた。相続承認後に彼が金銭を回収した場合、彼名義の特有財産から控除されるべきではないことに、疑いはない。なぜならば、もし債務者達が支払いによって解放されるならば、彼は自由人として[相続人に対し]責を負うからである。これに対して、相続承認前に会計係が金銭を回収した場合、債務者達がその支払いによって解放されるならば、それが特有財産から控除されるべきであることに、疑いはない。なぜならば、会計係は事務管理訴権あるいは委任訴権に準じて相続人に対し責を負うからである。他方、[債務者達が]解放されないならば、以下と類似の問題となる。すなわち、私の事務を管理しているあなたが、私の債務者達から回収し、次いで私が追認を拒絶し、さらに事務管理訴権で[あなたを]訴えようとした場合、もしあなたに損害が生じない旨を私が担保していれば、その訴えは適法なのか。私[パウルス]は否と答える。私の追認拒絶により、事務管理訴権は消滅したからである。その結果、債務者[達]は私に対して責を負う。
【注】

【訳者】
遠藤歩
【出典】
法学会雑誌(東京都立大)第45巻1号 (2004年7月)
【備考】