【法文】
学説彙纂第46巻第3章第72法文序項
【法文の典拠】
Th.Mommsen, Digesta Iustiniani Augusti, 2 Bde, Berlin 1868/70
【inscriptio】
Marcellus libro uicensimo digestorum
マルケッルス
【翻訳】
一〇金の債務を負担している者が、債権者にそれを提供し、債権者は正当な理由なくしてその受領を拒み、その後債務者が自己の責に帰すべからざる事由によりて一〇金を失った場合、債務者は悪意の抗弁で自己を守ることができる。たとえ請求された時に債務者は支払っていなかったとしても。実際に、金銭が失われたことによって責を負わされることは公平ではない。なぜならば、もし債権者が受領を欲していたならば、責を負わなかったからである。それゆえ、債権者が受領について遅滞をなしたということは、弁済に代わるものとされるべきである。さらに、嫁資に含まれていた奴隷を夫が提供し、そしてまさにその奴隷が死亡した場合、あるいは金銭を提供したが妻が受領しない間に滅失した場合は、法上当然に責任が消滅することになろう。
【注】

【訳者】
遠藤歩
【出典】
法学会雑誌(東京都立大)第45巻1号 (2004年7月)
【備考】