【法文】
学説彙纂第46巻第3章第88法文
【法文の典拠】
Th.Mommsen, Digesta Iustiniani Augusti, 2 Bde, Berlin 1868/70
【inscriptio】
Scaeuola libro quinto digestorum
スカエウォラ
【翻訳】
母は、夫の無遺言相続人となった家女の財産を管理し、売却のために物を銀行業者に与えた。このことは、[銀行業者の]帳簿に記載された。銀行業者が売却によって回収した物を全て[母に]支払った後、ほぼ九年間に渡り母は家女の名で取引をなした。母が再婚して財産を新しい夫に引渡したとき、家女は銀行業者に対して何らかの訴権を有するのかが問われた。というのも、売却によって回収された物は、家女ではなく母の名で問答契約の対象となっていたからである。[スカエウォラ]は、当該支払いによって銀行業者は市民法上解放されるのかが問われるべきであり、かつ解放されるとの解答をなした。クラウディウスは続けて曰く、裁判において、家女の属する代金を、銀行業者が母に対して、後者が管理権限を有しないことを知りながら支払ったのかが問われるべきであり、もし知っていたならば、たとえ母に支払ったとしても解放されない、と。
【注】
【訳者】
遠藤歩
【出典】
法学会雑誌(東京都立大)第45巻1号 (2004年7月)
【備考】